鮟鱇婦人

あらすじ

病気がちで、笑う事が滅多に無い母を心配する幼い娘の由宇子。
あの手この手で母を笑わせようとするが、全く笑わない。

そんなある日、授業の一環で聴いた落語「死神」に衝撃を受け、弟子入りを志願する。笑いの力で母を勇気づける事を目標にしてきた由宇子であったが、母は話す事すらままならなくなってしまう。

由宇子の目的も、身体も、そして時代も、ゆるやかに、でも確実に変わっていく。

グリム童話『死神の名付け親』をベースに初代三遊亭圓生が作った落語『死神』を軸に、2013年に千田訓子一世一代一人芝居として上演した「鮟鱇婦人」が、中田彩葉の一人芝居として現代に蘇る。
落語「死神」出典:六代目三遊亭圓生「死神」
 日々お金に苦労をする男は、自死を考えていた。
 すると死神を名乗る老人が現れ、 男の寿命はまだ長いので病人の寝ている「足下」に死神がいるときには使えるが、「枕元」にいるときには寿命がつきているので使ってはいけないという呪文を男に授け、 医者になれと言い消えてしまう。男は町医者となり、あっという間に街でも評判の名医になり大金を得た。
 しかし、お金の使い方を知らない男はすぐに散財し元の生活に逆戻り。 しかも診る病人診る病人「枕元」に死神が立っており、病を治してやることも出来ない。
 そんなある日、江戸でも大店の番頭を診察する機会がやってくる。 番頭の床を見ると「枕元」に死神が座っているが10,000両の謝礼に目がくらんだ男は枕元にいる 死神に謀をめぐらせ番頭の病気を治した。するとある日の老人が現れる。
  「何と言う事をしてくれた。お前の寿命はもう短い、こちらへ来い」と、男を暗い洞窟の中へ 連れて行く。
 そこには人間の寿命を表しているという幾千という蝋燭があった。 男の蝋燭はというと、今にも消えそうに小さく灯っている。 自分の寿命を延ばしたい男は老人に方法はないかと聞くと、老人は他の蝋燭の燃えさしを 接いで伸ばす事が出来れば寿命は延びるという。 自分の「死」を目の前に男は蝋燭を接ごうするが、手が震えて上手くいかない。

「アァ、消える。消えるよ。」

2013年初演時チラシ

CAST

中田彩葉

Nakata Iroha

1998年、野外劇を中心に活動する劇団犯罪友の会に入る。以降、毎年同劇団の作品に出演。その他、映画、ドラマ等にも出演。
2006年と2011年『関西現代演劇俳優賞』最優秀女優賞受賞
舞台 1998年 劇団犯罪友の会 『牡丹のゆくえ』以降毎年、同劇団の公演出演する
【近年の出演作品】
舞台 三俣婦人会『湾で泳ぐ犬』
ドラマ『稲妻ムービーマーケット』
舞台 オドリバ企画『大皿インダハウス』
映画『デッドフラワーズ』

作・演出

橋本匡市 

Hashimoto Tadashi

1982 年生まれ。近畿大学文芸学部芸術学科卒業。
2005 年に劇団「尼崎ロマンポルノ」を旗揚げ。作・演出を担当。
2012 年に解散後「万博設計」を旗揚げ、大阪を中心に活動。
「普通の中の異常」と「異常の中の普通」を揺らめく演劇を標榜し活動開始。ウイングフィールドの企画主任として「WINGCUP」「ディレクターズワークショップ」等の企画立案を行う。

【主な受賞歴】——————————-
2015 年 『幽霊ʼ』第 22 回 OMS 戯曲賞最終選考
2016 年 『苔生す箱舟』佐藤佐吉演劇賞宣伝美術優秀賞
2018 年 『駱駝の骨壷』第 25 回 OMS 戯曲賞最終選考
2019 年 『リボルバー』令和元年度文化庁芸術祭優秀賞
2020 年 『夏の時間』若手演出家コンクール 2019 優秀賞
2021 年 オンライン配信を活用した演劇公演の企画上演を評価され、令和 2 年度大阪文化祭賞奨励賞

STAFF

舞台美術:サカイヒロト (WI’RE) 
音響:廣岡美祐 
照明:海老澤美幸(Licka) 
舞台監督:佐野泰広(CQ)
振付:槇なおこ  
衣裳:イトウワカナ(intro)<YO RU TO RO TO ROのみ> 
演出助手:井上多真美(ひほひ) 
宣伝美術:バンパクデザイン 
制作協力:< 大阪 > 若旦那家康 ( コトリ会議 ) < 札幌 >intro
企画制作:今野恵子・松尾晃典 
企画・製作:万博設計

協力:CQ intro Licka WI’RE 仮想劇場ウイングフィールド
   劇団清水企画 コトリ会議 にほひ ポケット企画

大阪公演提携:ウイングフィールド 札幌公演提携:シアターZOO
芸術文化振興基金助成事業

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